焼酎を飲んが事がなくて、焼酎を買ってみようと思った時に、こんな疑問がわいてきませんか?
焼酎は種類がとても豊富です。産地・材料・製造工程によって、さまざなな風味になるから、普段焼酎を飲まれない方は、迷ってしまうと思います。
焼酎を普段飲んでいる人でも「麦とか蕎麦とか材料によっての違いが判らないから、なんとなく芋焼酎を飲んでいたんだよね。」という人も多いのではないのでしょうか?
この記事を読むことで、知ってたらちょっとカッコいい、焼酎の基礎知識を手に入れることができます。
その知識を取り入れることで、飲み会の時にさらっと焼酎のツウな話をできたら、カッコいいですよね?
さらに、焼酎好きの上司や義理の父に手紙を添えてお中元を送るときに、ちょっとした豆知識の書き添えると、もらった方はちょっと嬉しくなりますよね。
記事の最後には、焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子徹郎がオススメする「はじめての方でも飲みやすいオススメの焼酎」をご紹介しちゃいます!
━ このページの目次 ━
焼酎と日本酒の違いって何?
世界には、さまざまなお酒の種類があります、1つの共通点は発酵させて造られています。
製造工程の違いによって3つの種類に分別されます。
お酒の分類
(※スマホで観覧の場合スワイプすると表が動きます。)
醸造酒 | 蒸留酒 | 混成酒 | |
---|---|---|---|
説明 | お酒の歴史の中で一番古いタイプの製造法です。米・麦・ブドウなどを原料に、酵母にてアルコール発酵させて造るお酒です。発酵させたらそのまま飲めるのが特徴です。 | 原材料を発酵させた後に、蒸留して造ったお酒の事です。蒸留して水分を飛ばしているので、アルコール度数が高いのが特徴です。 | 製造法は数多くありますが、醸造酒や蒸留酒を使ってにいろいろな成分や、植物の皮や実を混ぜたお酒です。 |
お酒の種類 | ワイン・ビール・日本酒・黄酒(フォアンチュウ) | ブランデー・本格焼酎・甲類焼酎・ジン・ウォッカ・ラム・テキーラ・白酒(パイチュウ) | 梅酒・カルーア・リキュール・アロマタイズドワイン・フォーティーファイドワイン・みりん・薬酒 |
上記の表に分類されているように、日本酒は醸造酒で、焼酎は蒸留酒です。すなわち造り方が違うんですね。
日本酒の製造工程を図にすると以下のようなります。
焼酎の製造工程は以下の通りです。
簡単にいうと焼酎は、原材料を発酵せた後に蒸留(※1)させる工程が加わっています。そうする事で独自の旨みを生み出しています。
※1:発酵させたアルコール度数の弱いお酒を熱して、1度蒸気にし、更に冷やして液体に戻すこと。
焼酎は種類によって何が違うの?
焼酎は乙類(おつるい)焼酎・甲類(こうるい)焼酎・琉球泡盛・混和(こんわ)焼酎の4種類があります。
まずはじめに、乙類・甲類というふうに分類した背景には、1910年(明治43年)にイギリス由来の「連続式蒸留器」による焼酎が広まり、昔から使用している単式蒸留器と区別されるようになりました。
その後、1949年(昭和24年)に設定された酒税法によって、焼酎は甲類・乙類として区分されました。
2006年(平成18年)に酒税法が改定され、「連続式蒸溜焼酎(甲類)」「単式蒸溜焼酎(乙類)」という風に区分名が変わり、大量生産ができて連続式蒸留器で造られアルコール度36%未満の焼酎を甲類(ホワイトリカー1)、単式蒸留器で造られアルコール度45%以下の焼酎を乙類(ホワイトリカー2)と定めました。
単式蒸留焼酎 = ホワイトリカー2 = 乙類焼酎
各焼酎の種類を詳しく解説していきますね。
乙類焼酎とは?
昔ながらの伝統的な蒸留法(単式蒸留)で造った焼酎を、乙類焼酎と言います。
日本酒と同じように酵母菌を用いるので、酵母を造り発酵させます。蒸留には単式蒸留器を使い、アルコール度数は45度以下で、蒸留は1回転のみ行います。
米・麦・さつまいも・そば・黒糖など、いろいろな素材の風味を楽しめます。
本格焼酎とは?
居酒屋さんや焼酎のラベルを見てみると「本格焼酎」っていう表記を見たことがありませんか?
指定された原材料と麹を使用し、単式蒸留器でお酒を製造し、かつ、水以外の添加物を一切使っていないお酒が「本格焼酎」と表記できるんです。
本格焼酎という表現が生まれた背景には、明治末期に広まった連続式蒸留器で造られた甲類焼酎が「新式焼酎」として広まってしまたので、単式蒸留器で作られた焼酎が「旧式焼酎」と呼ばれるようになってしまいました。
甲類焼酎が乙類焼酎に劣るというイメージが広まってしまったので、当時 霧島酒造の社長であった故 江夏 順吉(えなつ じゅんきち)氏が「本格焼酎」を提唱しました。
そして、焼酎メーカーの賛同があり「本格焼酎」という表記が広まっていきました。
2002年(平成14年)に酒税法が改正され、以下の条件を満たさないと乙類焼酎でも「本格焼酎」と表記できなくなりました。
- 穀類またはいも類、これらのこうじ及び水を原料として発酵させたもの
- 穀類のこうじ及び水を原料として発酵させたもの
- 清酒かす及び水を原料として発酵させたもの、清酒かす、米、米こうじ及び水を原料として発酵させたもの又は清酒かす
- 砂糖(酒税法施行令第4条第2項に掲げるものに限る)、米こうじ及び水を原料として発酵させたもの
- 穀類又はいも類、これらのこうじ、水及び国税庁長官の指定する物品を原料として発酵させたもの(その原料中国税庁長官の指定する物品の重量の合計が穀類及びいも類及びこれらのこうじの重量を超えないものに限る。)
【国税庁長官の指定する物品】
あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ引用元:国税庁 焼酎に関するもの
甲類焼酎とは?
明治末期に広まった連続式蒸留器で作られた焼酎を甲類焼酎と言います。
原材料を糖化させ発酵して生まれてくる醪(もろみ)が、数本の蒸留塔に供給されます。
蒸発・分縮・還流という複数の作用から、高純度のアルコールが工場のように造られていくので、大量生産が可能です。
琉球泡盛とは?
泡盛は「泡盛」「本場泡盛」「琉球泡盛」の3つの表記があります。
なぜ?そうなったかというと、泡盛は沖縄の伝統的なお酒ですが、法律的に沖縄で泡盛を造らなければ、泡盛と表示させることが出来ないわけではありません。
1983年(昭和58年)に、沖縄県酒造組合連合会が「泡盛の表示に関する公正競争規約」を結び、沖縄県で造られた泡盛は「本場泡盛」と表記できるようになりました。
2004年(平成16年)の国税庁の「地理的表示に関する表示基準」と「地理的表示に関する表示基準2項に規定する国税庁長官が指定するぶどう酒、蒸留酒又は清酒の生産地を定める件」の基準を満たしていたので、沖縄県で造られた泡盛も「琉球泡盛」という表示ができるようになりました。
泡盛は、基本的にはタイ米と黒麹を使用しています。
しかし、原材料に関して規定はありません。
だから、ジャポニカ米を使用していたり、沖縄で作られたインディカ米を使用している酒造メーカーもあります。
古酒(クース)について
泡盛は、ウイスキーやワインのように、年代物が重宝されています。
2015年(平成27年)に、「泡盛の表示に関する公正競争規約」により、全量が泡盛を3年以上貯蔵したものに限って、古酒と表示されるように変わりました。
混和(こんわ)焼酎について
乙類焼酎と甲類焼酎を混ぜた焼酎のことを、混和焼酎と言います。日本酒造組合中央会ならびに日本蒸留酒酒造組合が、甲類が50%以上であれば「甲類乙類混和」と表記でき、50%未満の場合は「乙類甲類混和」と表記できます。
麹(こうじ)によって変わる味の違い
焼酎のラベルに「黒[焼酎銘柄]」「白[焼酎銘柄]」という表記があります。
実は、その表記が焼酎造りに欠かせない種麹を指しています。
現在の焼酎造りに、主に使われている麹は黄麹・黒麹・白麹の3種類です。
異なる風味を引き出しているので、その表記を見て、味の方向性を判断する事ができます。
(※スマホで観覧の場合スワイプすると表が動きます。)
種類 | 説明 | 代表的な銘柄 |
---|---|---|
黄麹 | フルーティーで華やかな香りと甘みを生みだす焼酎になります。 | 富乃宝山/魔王/海 |
黒麹 | 芳醇(こうじゅん)な香りとスパイシーなキレ、そしてどっしりとしたコクの旨みがある焼酎になります。 | 黒霧島/黒伊佐錦 |
白麹 | キレがよく爽やかであり、まろやかで柔らかな印象の焼酎になります | 佐藤・白/森伊蔵/赤霧島 |
焼酎の原材料による味の違いは?
焼酎の原材料の種類は豊富です。
ここでは代表的な芋・米・麦・黒糖・そば5つの材料をご説明しますね。
芋焼酎
現在さつまいもは、全国でおおよそ40種類の種類が栽培されています。
焼酎用として主に用いられているのが「ジョイホワイト」「コガネセンガン」です。
米焼酎
米焼酎は、米のもっている旨みを残すために、精米歩合(せいまいぶあい)は85%~90%ほど(日本酒の精米歩合は60~70%ほど)にしています。
一般的には「ヒノヒカリ」という品種が使用されています。
麦焼酎
日本で、はじめに麦焼酎を造ったのは、麦を常食する習慣があった、長崎県の壱岐島(いきのしま)と言われています。
「二条大麦 (大粒大麦)」「六条大麦 (小粒大麦)」「はだか麦」の品種がよく使われています。
黒糖焼酎
長寿の島として知られている、奄美大島(あまみおおしま)の特産品として、健康によいお酒として有名です。
原材料はサトウキビで、固形の黒糖をお湯に溶かして作った糖液を使用します。
そば焼酎
1973年(昭和48年)に、宮崎県 五ヶ瀬(ごかせ)地方 山間部の特産品である、蕎麦(そばむぎ)を原料に雲海酒造が「そば焼酎雲海」を販売したのが始まりです。
焼酎の地域によって変わる原料の違い
それぞれの産地で個性と味わいが違うのからこそ、焼酎のことを知ると面白くなります。
ここでは産地によっての、原料の違いをご説明します。
鹿児島県の薩摩焼酎
芋焼酎の原料はさつまいもです。芋の名前に「薩摩」という名称があるように、鹿児島県は芋焼酎の本場です。
鹿児島県の芋焼酎の歴史は古く、江戸時代半ばからと言われています。
鹿児島県のさつまいもと水を用いて造られた焼酎のみが「薩摩焼酎」と表記できます。
昔の芋焼酎は匂いがキツイとイメージがありました。
しかし、焼酎用の芋の品種である黄金千貫(コガネセンガン)の栽培が定着し、蔵元の絶え間ない努力の結果、芋の上品でフルーティーな甘さと心安らぐ香りの芋焼酎が生まれました。
1970年代に薩摩酒造が、当時「6:4(ロクヨン)のお湯割り」「酔い醒めさわやか」のキャッチコピーでCMを放送したことで、全国に代表銘柄の「さつま白波」が全国に知れ渡り、焼酎ブームを巻き起こしました。
長崎県の壱岐焼酎
日本で麦焼酎の発祥の地といわれる、九州北方の玄界灘に浮かぶ壱岐の島(いきのしま)の麦焼酎は、米麹と大麦を1:2の割合で仕込むことが決められており、この島の伝統製法で造られた焼酎のみ「壱岐焼酎」と表記できます。
壱岐の島で麦焼酎を造りはじめたのは、江戸時代に年貢米の取り立てが厳しかったため、主食としていた大麦で焼酎を造りはじめたと言われています。
米麹のふくよかな旨みと、麦の香ばしいにおい、独特の深いコクと飲みごたえが特徴です。
大分県の麦焼酎
大分県では清酒の搾り粕(かす)を使った焼酎を造っていましたが、明治時代半ばには、米麹を使った麦焼酎を造るようになりました。
麦焼酎は大分県という認知になったきっかけは、二階堂酒造が大麦麹を使用した、麹も原料も100%麦という製法を日本ではじめて成功し、大分県の独自のスタイルを確立させました。
そして、三和酒類が下町のナポレオンとして知られるロングセラーの大ヒット商品「いいちこ」が、減圧蒸留を取り入れ、やわらかな口当たりと豊かな味わいを実現させ、1980年代の麦焼酎ブームを巻き起こしました。
熊本県南部の球磨地方の球磨焼酎
米100%を原料に球磨川の伏流水で仕込み、 熊本県 球磨地方で蒸留・瓶詰めされた焼酎のみ「球磨焼酎」と表記できます。
米焼酎の発祥の地と言われている球磨地方は、稲作に好都合な条件に恵まれた米どころで、米焼酎の特産地でもあります。
アルコール度数は30度以上と高く、伝統的な常圧蒸留で造られた球磨焼酎は、重厚感があり、まろやかな味わいが特徴です。
減圧蒸留で造られた球磨焼酎もあり、清酒のような華やかな香りで、上品でさわやかな味わいが特徴です。
福岡県の焼酎
福岡県で焼酎を造っていることは余り知られていませんが、清酒の製造がさかんなので、「粕取り(かすとり)焼酎」がよく造られています。
酒粕には約8%のアルコール分が残っているので、これを原料にして麹を使わずに、伝統的な製造法で焼酎を造ります。
近年では、田植の最後に貯蔵していた酒粕を蒸留して造った「早苗饗(さなぼり)焼酎」という、伝説の焼酎を復活させました。
この焼酎は、古くからあり田植えなど忙しい時期に手伝ってくれた人をもてなす、祝い酒です。
華やかな香りが広がり飲みやすく、落ち着いた味わいを楽しめる焼酎です。
それ以外にも米焼酎・麦焼酎など定番の焼酎や、胡麻やにんじんやこんぶを原料の一部として使った焼酎など、他県にないさまざまな焼酎が造られています。
宮崎県の焼酎
宮崎県の焼酎は、芋のふくよかな香りと濃厚なコクを引き出す伝統的な芋焼酎や、1994年(平成6年)に誕生したジョイホワイトというさつまいもを使い、すっきりとした爽やかな味わいの芋焼酎などがあります。
宮崎県は地域ごとに気候風土が異なるので、栗・とうもろこし・かぼちゃ・大豆など、さまざまな作物で焼酎が造らています。
その中でも有名なのが、日本初のそば焼酎の開発に成功した、雲海酒造の「そば雲海」です。
伊豆諸島の焼酎
伊豆諸島は薩摩から芋焼酎の技術が伝わり、九州地方とは違う味わいの焼酎造りの文化があります。
江戸末期に薩摩出身の丹宗庄右衞門(たんしょうそうえもん)が伊豆諸島に島流しになり、薩摩の焼酎造りを伝えたのがはじまりです。
当時、食糧事情が悪く貴重な米で酒を造ることが禁じられていたため、麦麹で焼酎を造ったのがきっかけで、伊豆諸島の焼酎は麦麹で焼酎を造ています。
芋焼酎は米麹を使っているため、すっきりしたシャープな味わいが特徴です。
近年では芋・麦・米の3種類の焼酎が造られ、こだわりある個性的な焼酎が造られています。
長野県佐久市のそば焼酎
1973年(昭和48年)に、宮崎県の雲海酒造が「そば焼酎雲海」を産み出したのがはじまりでした。
くせがなく独特のコクと甘みが人気となり、他の酒造会社もそば焼酎を造りはじめました。
浅間山系の伏流水に恵まれている酒所の、長野県の佐久市を中心に、酒造りのきめ細やかな技術をいかしたそば焼酎を造っています。
そばの配分を限界まで増やして、香り豊かなそば焼酎を造っています。
奄美大島の黒糖焼酎
奄美大島が日本に返還された1953年(昭和28年)の時は、日本の酒税法では焼酎の材料に、糖類を使うことを認めていませんでした。
大島の酒造組合が陳情を行なった結果、米麹を使用して仕込むことと奄美群島区内で製造することを条件に、特例として認められました。
黒糖焼酎は適量を摂取することで、ストレス軽減や血中のコレステロールや中性脂肪の抑制の効果など期待されています。
甘い飲み口だけど、すっきりとシャープな味わいが特徴的です。
単式蒸留(乙類焼酎)の蒸留方式の違いによる味の違い
単式蒸留(乙類焼酎)でも蒸留方式に違いがあり、その蒸留方式によって焼酎の味が変わってくるんです。
単式蒸留の蒸留方式は、減圧蒸留と常圧蒸留法の2種類あります。
減圧蒸留とは?
福岡県八女市(やめし)にある日本酒造の喜多屋が、1970年(昭和45年)から減圧蒸留器の開発に取り掛かり、1972年(昭和47年)に試作機が完成し翌年に「九州の火の酒」として商品化をしました。
喜多屋は減圧蒸留機の特許は取得せずに、普及・販売を機器メーカーに無償で許可していたので、九州の本格焼酎業界に急速に広まりました。
この減圧蒸留のお陰で、昔の焼酎のイメージとはまったく違った、華やかなでフルーティーでまろやかな飲み口の焼酎が生まれ、減圧蒸留の焼酎ブームが巻き起こりました。
地上の平均気圧は一気圧なので、沸騰は100度が目安ですが、気圧が下がると沸点も下がるので、この理論を適用させたのが減圧蒸留です。
焼酎を造るときに醪を低温で蒸留させることで、醪本来のマイルドな香りが味に活きてきます。
雑味もなくなるので、くせがなくすっきりした味わいに仕上がっていきます。
常圧蒸留とは?
常圧蒸留とは500年以上の歴史をもつ伝統的な蒸留方式です。
90度~100度の温度を醪にあてて沸騰させ、アルコール分や微量成分を気化させて取り出します。
高温で蒸留するため、フルフラールという焦げ臭さの原因や大量の微量成分など生まれます。
しかし、これが個性となり、原料本来の甘みや芳醇な旨みと香りを楽しめ、くせのある焼酎が生まれます。
フルーティーで飲みやすい焼酎は物足りなさを感じるファンは、個性ある常圧蒸留の焼酎を好んで選びます。
貯蔵による味の違い
焼酎は蒸留が終わった後、必ず貯蔵や熟成を行います。
その理由は、蒸留したての焼酎は味わいが荒々しいからです。
そのため、蒸留した後は一定期間貯をし、味わいをまろやかにしてから出荷します。
貯蔵期間によって、熟成の変化による味の変化があり、その変化は3段階に分けて考えられています。
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熟成段階 | 期間 | 味の変化 |
---|---|---|
初期熟成 | 3か月~6か月 | 刺激的なにおいや荒々しい味わいの減少する。 |
中期熟成 | 6か月~3年 | 香味が安定しまろやかさが増加する。 |
古酒化段階 | 3年以上 | まろやかさの増加と独自の香味が形成されます。 |
さらに、貯蔵する容器によっても味に変化が出てきます。
焼酎ではタンク貯蔵・カメ貯蔵・樽貯蔵の3つの貯蔵方法があります。
タンク貯蔵
ステンレスやホーロー製のタンクで貯蔵し、比較的短期貯蔵で大量生産に向いている貯蔵方法です。
最も多くの焼酎の蔵元で採用されている貯蔵法です。
焼酎に容器の匂いが移りにくいので、すっきりとしたピュアな味の仕上がりになります。
カメ貯蔵
素焼きのカメを使用して貯蔵するため、たくさんある微小の気巧から空気が入り、カメから溶け出してくる無機成分の中和作用や触媒作用によって、熟成が進んでいきます。
独特のまろやかさが生まれる貯蔵法です。
樽貯蔵
ウィスキー樽やシェリー樽に長期間貯蔵することで、樽の香りや琥珀色へ変化する効果があります。
樽熟成ならではの、独自のバニラの香なども得ることができ、モダンで重厚な味わいに仕上がります。
焼酎を保存するときの3つのポイント
アルコール度数の高い焼酎は保存性がとても高いです。
しかし、適切な保存管理をしないと、劣化は避けられません。
1番気を付けておくことは「日光に当てない」ことです。
焼酎は日光や蛍光灯の光にさらされると、焼酎の旨み成分が分解・酸化されてしまうので、油臭(あぶらしゅう)という、酸化臭が生じる場合があります。
透明な白瓶の焼酎は、他に色の焼酎の瓶よりも光の影響を受けてしまうので、必ず買った時についている箱に入れて保管しましょう。
1度、開封した焼酎に関しては、空気が入っているので、酸化の原因になってしまいます。
しっかり蓋を閉めて、箱や戸棚にしまいましょう。
- 直射日光に注意しましょう。
紫外線や蛍光灯の光を浴びると、油臭(あぶらしゅう)と呼ばれる、酸化臭が生じる場合があります。 - 白瓶は箱で保管する。
透明な白便は、光の影響を受けやすいので、箱に入れて保存しましょう。 - きちんと密封しましょう。
空気にさらされると、酸化の原因となり油臭が生まれてしまいます。
焼酎瓶のラベルの見方
瓶に張っているラベルには、法律や基準に沿って決められています。
焼酎や泡盛の瓶が手元にある場合は、それを見るとわかりやすいですけれども、手元にない方も、焼酎瓶の表と裏を想像してみてください。
瓶の表と裏に貼ってあるラベルは、以下のように分類されています。
(※スマホで観覧の場合スワイプすると表が動きます。)
胴ラベル | 肩ラベル | 裏ラベル |
---|---|---|
瓶の表に貼られている、焼酎の銘柄が大きく書かれているラベルです。 | 瓶の上部に貼られている、売り文句やデザインを添えるために使うラベルです。 | 瓶の裏に貼られている、原材料など細かい情報が書かれているラベルです。 |
焼酎と泡盛は少しポイントが違います。ラベルのイラストを使って、それぞれお伝えしますね。
焼酎瓶のラベルを見るときの5つのポイント
焼酎のラベルに「本格焼酎」に表記するには、酒税法施行規則によって、厳格なルールがあります。
製造業者・製造場所・容器容量・アルコール度数は、表記が義務付けられています。
ラベルに書かれている産地は「地理的表示に関する表示基準」によって、表示基準が定められています。
原材料の表示に関しては、「表示に関する競争規定」に規定されています。
そのほかに、消費者の購買意欲を掻き立てる「長期熟成」「原酒」などの言葉は、特定表示となっており、表示基準が厳密になってい決まってます。
- 本格焼酎の表記
その焼酎が単式蒸留器を使った乙類焼酎で、かつ麹を使用して国税庁長官が指定する原材料を使用し、水以外の添加物を使用していないものが表記できます。 - 地理的表示
「地理的表示に関する表示基準」により、薩摩・壱岐(いき)・球摩(くま)・琉球の4つの産地名は、国税庁長官が指定する産地・材料・製法で造られた銘柄のみ表示ができます。 - 特定表記
長期貯蔵:総量の50%以上が3年間以上の貯蔵酒であるものが表示できます。
原酒:蒸留後に水や添加物を一切加えず、かつアルコールの度数が35度以上のものが表示できます。 - 冠表記
原則として、1番多く使用されている原材料を冠表記します。少量の使用でも、特徴に影響がある場合は「麦・米麹、蕎麦(15%)」などの、使用割合を併記することもできます。 - 原材料
自主基準として、複数の原材料がある場合は、多い順に記述しています。
泡盛瓶のラベルを見るときの6つのポイント
「本場泡盛」の表記させるには「泡盛の表示に関する公正競争規約」によって、沖縄県で造られた泡盛に表記されます。
「琉球泡盛」の表記に関しては「地理的表示に関する表示基準」の対象だったため、沖縄で造られた泡盛だったら表記することができます。
古酒のような重宝されるお酒の表記は、「泡盛の表示に関する公正競争規約」によって規定されています。
- 琉球の表記
「地理的表示に関する表示基準」の、国税庁長官が指定している産地・原材料・製法で造られた沖縄が産地の泡盛は「琉球」の表記ができます。 - 泡盛の表記
「泡盛の表示に関する公正競争規約」の、黒糖菌の米麹を使用した全麹仕込みで造られたお酒は「泡盛」の表記ができます。 - 度数
泡盛は銘柄によって度数が結構違うため、とくに規定はないですが、胴ラベルに大きく度数を記載していることが多いです。 - 熟成年数の表記
熟成年数が違う泡盛をブレンドすることがあり、最も若い年数を表示します。 - 古酒
泡盛の表示に関する公正競争規約により、全量が泡盛を3年以上貯蔵したものは古酒と表示できます。 - 詰口年月日の表記
表示義務はありませんが、熟成年数をわかりやすくするため、容器に泡盛を充填した日を記載します。
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