本格麦焼酎は、独特の風味と味の多様性が世界中の焼酎ファンを魅了しています。
しかし、種類が豊富にあって、どれを選べば良いか迷うこともありますね。

そこで、焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子徹郎が選ぶ、2022年5月7日から2023年11月19日にかけて試飲した麦焼酎35銘柄の中から、オススメの12銘柄をご紹介します。

※「2022年オススメの麦焼酎10選！特徴・魅力や選び方をご紹介！」が2021年5月8日～2022年5月1日までに麦焼酎を実際に飲んで公開した記事だったので、2023年は2022年5月7日から飲んだ焼酎で選出しました。

この記事を読むことで、麦焼酎の基本である、歴史や製造方法を知ることで、豊かな味わいと背景にある物語をより深く理解していただけるでしょう。
麦の種類や蒸留方法の違いによって変わる、味の違いも知ることができます。
これ知ることで、あなた好みの麦焼酎選びがしやすくなるでしょう。

次に、麦焼酎の基本的な飲み方から、季節に合わせた楽しみ方、カクテルレシピまで。
多角的に麦焼酎を楽しむ方法をお伝えします。

麦焼酎の世界にはじめて足を踏み入れる方も、長年の麦焼酎ファンの方も、新たな魅力を発見できるでしょう。

 

麦焼酎の基本 – 知っておきたい基礎知識

麦焼酎、独特の風味と深みある味わいが多くの人を惹きつけます。
しかし、麦焼酎の魅力を存分に味わうには、まず基本を押さえることが大事なんです。
ここでは、麦焼酎の基本知識を解説するので、麦焼酎の世界への理解を一歩深めるでしょう。

はじめに麦焼酎の歴史をお伝えします。
麦焼酎がどのように誕生したのかを探り、麦焼酎の持つ文化的な価値と伝統を知ることができます。
次に、第二次焼酎ブームを起こした麦焼酎のことをお伝えしますね。
さいごに、麦焼酎の製造工程に焦点を当て、麦や麹・蒸留方法など、味わいを決定づける要素を簡明に説明します。

これらの基礎知識を付けることで、麦焼酎を飲む時、楽しさが増すことでしょう。

壱岐焼酎の歴史と独特の魅力

日本の本格麦焼酎の起源は、長崎県の玄界灘に浮かぶ壱岐の島にあります。
この地での焼酎造りの始まりは、16世紀頃とされています。

壱岐島は海上貿易の重要な地点で、蒸留技術が伝わったそうです。
米作りが盛んな壱岐では、米を年貢として納めたため、清酒よりも手軽な焼酎が好まれるようになりました。

麦焼酎の誕生は、大麦が年貢から除外されたことに由来します。
余った大麦は焼酎の原料として使われ、1791年(寛政7年)の「荒生の焼酎」が最初の記録として残っていました。

壱岐焼酎の特徴は、米麹と大麦を使った独自の製法にあります。
米麹と大麦を1:2の割合で仕込む壱岐焼酎は、麦の香りと甘味が特徴的です。
壱岐焼酎は熟成酒が多く、陶器や樫樽、タンクで熟成させることで、まろやかな味わいを生み出します。

 

第二次焼酎ブームを牽引した麦焼酎

江戸時代の大分県では、清酒の絞り粕を利用した粕取焼酎が主流でした。
しかし、現在では麦焼酎で名高い地として知られています。

1951年(昭和26年)の「麦の統制」撤廃後、二階堂酒造は本格的な麦麹の開発に着手しました。

大きな転機は、1973年(昭和48年)に大麦麹を使用した100%麦焼酎「大分むぎ焼酎 二階堂」の開発に成功したことです。
健康ブームの中、「大分むぎ焼酎 二階堂」は多くの人々に支持され、麦焼酎ブームを引き起こしました。

さらに、三和酒類の「いいちこ」が「下町のナポレオン」として知られるようになり、第二次焼酎ブームの火付け役となりました。
このブームにより、一時は市場での品切れが相次ぐほど人気に火が付いたそうです。

この2つの銘柄の成功と、大分県が推進した「一村一品運動」の後押しにより、大分の本格麦焼酎は全国的な知名度を獲得しました。

麦焼酎の製造プロセス

麦焼酎の製造プロセスは、特有の風味と品質を生む鍵となります。
ここでは、麦焼酎がどう作られるか、各ステップを詳しくご紹介します。

STEP1：麦の選定と麦芽の生成

優れた品質の麦の選定から始まります。
麦の種類や産地によって異なり、最終的な風味に大きく影響するんです。
選ばれた麦は洗浄され、水に浸して発芽させ、麦芽を生成します。

STEP2：糖化

乾燥させた麦芽を粉砕します。
麦芽は糖化プロセスで重要な役割を果たします。
糖化とは、麦芽の酵素が澱粉を糖に変える過程です。
このプロセスで糖化した糖が後の発酵の原料となります。

STEP4：発酵

糖化された麦は水と麹と混ぜ合わされ、発酵槽に移します。
麹は発酵中に重要な役割を担い、風味に貢献するんですね。
この混合物は数日から数週間発酵され、アルコールと香り成分が生成されます。

STEP5：蒸留

発酵後は蒸留プロセスへ。
蒸留によりアルコールと水、その他の成分が分離され、アルコール度数が調整されます。
蒸留方法には単式と連続式があり、それぞれ異なる特性の焼酎が生まれます。

STEP6：熟成

蒸留された液体をタンクや樽に移し、熟成させます。
熟成期間は数ヶ月から数年で、この過程で焼酎はさらに味わいを深めるんですね。

 

麦焼酎選びのポイント ：味わいと特徴で選ぶ

麦焼酎を選ぶ際、味わいと特徴を知るということは大切なポイントです。
麦焼酎は製造方法や原材料によって、さまざまな味わいになります。
ここでは、味わいと特徴を中心に、麦焼酎の選び方をご紹介します。

麦焼酎の味わいは、甘み・辛み・香りに分類されます。
甘みは麦の自然な甘さが際立ち、やわらかい口当たりが特徴です。
辛みを持つ麦焼酎はスパイシーで、力強い味わいが魅力です。
香り高い麦焼酎は、香ばしさやフルーティーな香りで、飲む前から楽しめます。

麦の種類も重要な要素です。
使用される麦の種類によって、焼酎の味わいが変わります。
たとえば、大麦を使った麦焼酎は、一般的にまろやかで穏やかな味わいが特徴です。

蒸留方法も麦焼酎選びの重要なポイントです。
伝統的な方法で作られた麦焼酎は、深みと複雑さを持ち、個性的な味わいが楽しめます。

これらポイントを知ることで、麦焼酎選びで何を重視すべきか、自分の好みに合う特徴を持つ麦焼酎が見つかるでしょう。

味のバリエーションを知る

麦焼酎の魅力は、味のバリエーションにあります。
とくに、甘み・辛み・香りの三つの主要な味わいは、麦焼酎選びにおいて重要なポイントです。

甘み：麦焼酎の甘みは、麦の自然な甘さに由来

やわらかい口当たりで、飲みやすさが魅力です。
このタイプの麦焼酎は、麦の種類や蒸留方法により、繊細な甘さの違いが楽しめます。
低温で長時間発酵させた麦焼酎は、まろやかで深い味わいが特徴です。

辛み：辛みのある麦焼酎はスパイシーで力強い味わいが特徴

しっかりとした味わいを好む方にオススメです。
辛みは、発酵や蒸留の過程で生じる成分により、麦の種類や製造方法によって異なる辛さになります。

香り：香り高い麦焼酎は飲む前からその香りを楽しめる

香ばしい香りやフルーティーな香りが特徴で、麦の種類や蒸留方法によってさまざまな香りが楽しめます。
熟成した麦焼酎はとくに、複雑で豊かな香りが特徴です。

これらの味わいを理解することで、自分の好みに合う麦焼酎を見ることができるでしょう。
異なる味わいの麦焼酎を飲み比べすることも、麦焼酎の楽しみ方のひとつです。

麹の種類と味わいの違いを知る

麦焼酎の楽しみ方を深めるためには、麹の種類が重要です。
麹は米や麦に麹菌を生やして発酵させた原料で、麦焼酎の風味や香り、甘味に大きく影響します。

本格麦焼酎に使用する麴は米麴と麦麴が主流ですが、麴により味わいの違いを以下の表にまとめました。
（※スマホで観覧の場合スワイプすると表が動きます。）

麹の種類とそれぞれの特性を把握することで、麦焼酎の選択がいっそう楽しくなります。
好みに合った麹を見つけて、自分だけのお気に入りの麦焼酎を発見する楽しみが増えます。

麦の種類と味わいの違いを知る

麦焼酎の風味は、選ばれる麦のタイプによって決まります。
麦の種類が変わると、風味や香り、口当たりも変わるので、これを把握することが麦焼酎選びのカギとなるんですね。

麦焼酎の原材料としては、主に大麦が用いられます。
「二条大麦(大粒)」「六条大麦(小粒)」「はだか麦」がよく使われています。
大麦は二条と六条に分かれ、皮が剥がれやすいかどうかで「皮麦」と「はだか麦」に分けられます。

多くの麦焼酎は二条大麦を使いますが、原材料ごとの味の特徴は異なります。
各原料による味わいの違いは以下の通りです。

（※スマホで観覧の場合スワイプすると表が動きます。）

これらの麦の種類による違いを理解することで、自分の好みに合った麦焼酎を見つけやすくなるでしょう。
また、異なる種類の麦を使った麦焼酎を飲み比べて楽しむことも、麦焼酎の魅力のひとつです。

蒸留方法とその特徴を知る

蒸留方法の違いは、麦焼酎の風味や香り、色に大きく影響します。
蒸留方法の違いを知ることが、選び方のポイントになるんです。

焼酎の蒸留法には「常圧蒸留」と「減圧蒸留」のふたつがあります。

常圧蒸留は伝統的な手法で、100℃近くで蒸留するのが特徴です。
この方法は豊かな風味を引き出し、味わい深い焼酎を生み出します。

減圧蒸留は、気圧を下げ40℃～50℃で蒸留します。
この低温蒸留により、軽やかな口当たりの焼酎を生み出します。
減圧蒸留法は、爽やかな味わいの麦焼酎に適しています。

これらの蒸留法の違いを把握することで、好みの麦焼酎を見つけることができるでしょう。
異なる蒸留方法で作られた麦焼酎を飲み比べすることも、麦焼酎の楽しみ方のひとつです。

 

麦焼酎の楽しみ方

麦焼酎の飲み方のいろいろあって魅力的です。
初心者から焼酎ファンまで、麦焼酎の深い味わいを楽しめる飲み方は、無限大に広がります。

基本の飲み方はストレート、ロック、水割りです。
ストレートでは麦焼酎の本来の風味を堪能でき、ロックは氷を加え、味わいのまろやかさを楽しめます。
水割りは、アルコールの刺激を和らげ、飲み口はスッキリして飲みやすくします。

スッキリした味わいの麦焼酎は、カクテルのベースにも適しているんです。
リキュールやハーブ、スパイスと組み合わせ、オリジナルカクテルを作れるんですね。
季節に合わせた飲み方の変化も楽しめます。
夏は冷やして、冬は温めて麦焼酎の味わいの変化を楽しめます。

ストレート・ロック・水割り ・お湯割りで楽しむ基本の飲み方

麦焼酎の美味しさを存分に味わうため、飲み方の基本を知ることが大切です。
「ストレート」「ロック」「水割り」という3つの基本的な飲み方を紹介します。

ストレート：焼酎本来の風味をそのまま楽しむ方法です。

温度や水を加えず、焼酎の本来の味わいや香りを直接楽しめます。
独特の風味を持つ麦焼酎の場合は、ストレートで飲むことで、個性ある味わいを堪能できます。

ロック：氷を入れて冷やして飲むスタイルです。

氷が溶けると麦焼酎の味がまろやかになり、飲みやすさが増します。
辛口や香りが強い麦焼酎に向いており、氷の量を調整して好みの味に調整できるんですね。

水割り：水を加えることでアルコール度数を抑え、飲みやすくします。

水の割合で麦焼酎の強さを調整できるので、食事と合わせて楽しむのに最適です。
基本的な割合の「焼酎：6、水：4」で水で割ることです。
これらの飲み方を理解し、試すことで、麦焼酎の豊かな味わいを楽しみ方の選択肢が増えます。

※さらに詳しく本格焼酎の基本的な詳しい飲み方を知りたい方は「焼酎の基本的な6つの飲み方」の記事を参照ください。

カクテルで楽しむ麦焼酎

麦焼酎はカクテル作りにも最適です。
麦焼酎の風味がカクテルに深みをもたらしてくれます。
それでは、麦焼酎を使ったカクテルの魅力と、人気のレシピをいくつか紹介しますね。

麦焼酎ハイボール

このシンプルなカクテルは、麦焼酎を氷で冷やし、炭酸水を加えて作ります。
レモンやシークワーサーなどの果汁を加えると、いっそう爽やかな味わいになるんです。
焼酎の種類を変えることで、さまざまな風味が楽しめます。

1. グラスに氷を入れます。
2. 次に焼酎を注ぎます。焼酎の量は、アルコール度数を抑えたい場合は1部、濃い目が好きな場合は2部とします。
3. 最後に炭酸水を加えます。炭酸水の量は焼酎の3部とします。
4. ゆっくりとステアして混ぜます。

麦焼酎サングリア

麦焼酎に赤ワインとフルーツ(オレンジ、リンゴ、ベリーなど)を加え、一晩寝かせるレシピです。
フルーツの甘みが麦焼酎の香りと絶妙に調和します。
フルーツの種類や甘さはアレンジ可能です。
ミントやシナモンスティックを加えると、風味がいっそう豊かになります。

【材料】

•  麦焼酎: 40ml
• リンゴ: 1/8個
• オレンジ: 1/8個
• レモン: 1/4個
• グレープフルーツジュース: 90ml
• 砂糖: 10g

【作り方】

1. リンゴ、オレンジ、レモンを適当な大きさに切ります。
2. 切ったフルーツと麦焼酎、グレープフルーツジュース、砂糖を混ぜ合わせます。
3. よく混ぜたら、冷蔵庫で数時間冷やします。フルーツのエキスが焼酎にしっかりと染み込むまで待ちます。

麦焼酎モヒート

ミントとライムを潰し、麦焼酎、砂糖、炭酸水を加えて作ります。
ミントの清涼感が麦焼酎の味わいを引き立たせます。
ミントの量や甘さも、お好みで調整できます。

【材料】

• 麦焼酎: 40ml
• ミントの葉: 5枚くらい
• ライム: 1/8個
• 砂糖またはシロップ: 適量
• 炭酸水: 90ml

【作り方】

1. グラスにミントの葉と麦焼酎を入れます。
2. ミントの葉を軽く潰し、ライムを絞ります。ライムの皮も一緒に入れると、さらに風味がアップします。
3. 砂糖またはシロップで甘味をつけます。
4. 次にクラッシュアイスを入れ、炭酸水で満たします。
5. 適度にかき混ぜて完成します。

季節ごとの楽しみ方

麦焼酎は四季折々の飲み方で楽しめる魅力があります。
ここでは、季節ごとの麦焼酎の楽しみ方を紹介し、一年を通じて麦焼酎の味わいを楽しむためのアイデアをお伝えします。

春：春は新鮮なハーブや柑橘類を使ったカクテルがオススメです。

麦焼酎ベースのモヒートや、レモンやライムを使用したサワーが春の日差しにぴったり合います。

夏：暑い夏には冷たくて爽やかな飲み方が最適です。

氷で冷やした麦焼酎を炭酸水やソーダで割ったハイボールスタイルが良いでしょう。
トマトやキュウリを活用したカクテルも夏の暑さを和らげるのに適しています。

秋：秋は麦焼酎の温かい飲み方を楽しむのがオススメです。

お湯割りやホットカクテルは秋の夜長に合います。
リンゴや梨のような秋の果物を使ったカクテルも季節感を味わうのに最適です。

冬：寒い冬は麦焼酎の温かい飲み方でその魅力をさらに引き出します。

お湯割りは体を温め、リラックス効果があります。
シナモンやクローブを加えたホットカクテルは冬の夜にぴったりです。

 

焼酎と料理のマッチング提案

麦焼酎をさらに楽しむために、料理とのペアリングは不可欠です。
ここでは、麦焼酎に合う料理を紹介し、新しい楽しみ方を提案します。

麦焼酎は、さまざまな料理との相性が抜群です。
軽やかな麦焼酎は、新鮮な刺身やサラダとの組み合わせがオススメです。
これらの料理は、麦焼酎の清涼感を引き立てます。

コクのある麦焼酎は、焼き鳥や煮物など味わい深い料理と相性が良いです。
これらの料理は、麦焼酎の豊かな風味をいっそう際立たせます。

麦焼酎はチーズとも良く合います。
とくにクリーミーなチーズと合わせると、麦焼酎の味わいが新たな次元で楽しめます。

 料理との相性

単独での麦焼酎の楽しみも素晴らしいですが、料理と組み合わせることで新しい味わいを発見できます。
料理と焼酎のペアリングは、食事をさらに楽しむための鍵となります。

私は飲食店でのバイト経験と厨房での修業を通じて料理の技術を磨いてきました。
ここでは焼酎ソムリエ/焼酎焼酎コンシェルジュが趣味で研究した料理の中から、麦焼酎と相性の良い料理をご紹介します。

この情報を通じて、皆さんの麦焼酎体験がより豊かなものになることを願っています。

香ばしい料理

麦焼酎は辛口でスッキリとした味わいが特徴で、香ばしい料理との組み合わせが最適です。
豚の野菜炒め・かつおのガーリックステーキ・ささみのごま唐揚げ・野菜の塩キンピラ・鶏ももの山椒焼き・長ネギと豚肉のさっぱり炒めなど、素材の香ばしさが際立つ料理とマッチします。

味付けに工夫を凝らした料理

麦焼酎の香りはスッキリしながらも辛口で、香りが強い料理と相性が良いです。
牛肉のカルパッチョ・ビーフステーキ・スペアリブステーキ・鶏むね肉の和風コンフィ・牛すじとこんにゃくの甘辛煮などの料理がオススメです。

 味噌を使った料理

麦焼酎は香り豊かで個性的な料理とも良く合い、味噌料理はとくにオススメです。
味噌田楽・鯖の味噌煮・ナスの梅味噌だれ・鯵の味噌和え・豚ロース肉の味噌漬け焼きなどの料理が相性が良いです。

中華料理・ベトナム料理

麦焼酎は強い味の料理にも合わせやすく、中華料理やベトナム料理とも相性が良いです。
八宝菜・餃子・シュウマイ・酢豚・麻婆豆腐・揚げ春巻きなどの料理がオススメです。

 

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュが実際に飲んでオススメする本格麦焼酎12選

焼酎ソムリエである金子徹郎が2022年5月7日から2023年11月19日までに実際に試飲し、公開した麦焼酎35銘柄の中から、とくにオススメする12銘柄を選びました。

これらの銘柄は、それぞれ独自の風味と個性を持ち、幅広い麦焼酎ファンに支持されています。
初心者から焼酎ファンの方まで、多様な好みに合う銘柄を揃えました。

各銘柄のオススメの飲み方を、実際の試飲経験を基に紹介します。
甘み・香り・口当たりなど、銘柄ごとの特徴を把握し、自分の好みに合う麦焼酎を見つけるのに役立ちます。
さらに、どんな人にどんな飲み比べセットをプレゼントするのが適切かも解説しています。

ここを読めば、自分にぴったりの一本を見つけることができるでしょう。

美味しい焼酎FUN!!独自の焼酎の味わい指標について

当サイトの「美味しい焼酎FUN!!独自の焼酎の味わい指標」で麦焼酎の味を分類すると、以下のような味わいの違いに分類されます。
（※スマホで観覧の場合スワイプすると表が動きます。）

自分の好きな本格麦焼酎の銘柄の記事にある「美味しい焼酎FUN!!独自の焼酎の味わい指標」を見て、そのタイプの麦焼酎を探すことで、自分の好きなタイプの本格麦焼酎に出会う確率が上がります。

かるフル系の本格麦焼酎3選

【麦焼酎】宮崎本店の「くろみや」

厳選した麦を原料に麦麴を使い、ブレンド蒸留して造られた本格麦焼酎です。
常圧蒸留でじっくり寝かせた原酒と、減圧蒸留で雑味感を取り除いた原酒を、絶妙なバランスでブレンドしイオン交換することで、芳醇で深みのある味わいに仕上げた逸品。

ブランドイメージにあった黒色の瓶と、ラベルも黒を基調とした亀が泳いでいる斬新なデザインなので、家庭用・業務用のボトルキープしてもお洒落さが際立ちます。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 くろみやのオススメの飲み方TOP3

3位：お湯割り

2位：ソーダ割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 くろみやをネットショップで詳細を見る

宮崎本店 本格麦焼酎 くろみや [ 焼酎 25度 720ml ] 酒造会社サイトの定価：￥968(税込)+酒造メーカーサイトは送料全国一律￥950
Amazon評価：

宮崎本店 本格麦焼酎 くろみや [ 焼酎 25度 1800ml ] 酒造会社サイトの定価：￥2,310(税込)+酒造メーカーサイトは送料全国一律￥950
Amazon評価：

 

【麦焼酎】縣屋酒造の「安心院蔵」

原料である二条大麦を、通常の麦焼酎は65～70％精麦(30～35％削った麦)で仕込みますが、高精白 安心院蔵は大麦の精麦としては、最高の50％まで削った麦を使用し造った本格麦焼酎です。

醪(もろみ)にもこだわりがあり、醪の温度を通常よりも、最高温度を3～5度抑えゆっくりと低温発酵させています。
熟成期間は最低でも10～12ヶ月の期間の間、貯蔵熟成させています。
味に丸みある旨味と、淡麗旨口タイプの酒質に仕上げている、縣屋酒造の看板商品です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 高精白 安心院蔵のオススメの飲み方TOP3

3位：水割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 高精白 安心院蔵をネットショップで詳細を見る

大分銘醸 安心院蔵 麦 瓶 [ 焼酎 25度 大分県 900ml ] 酒造会社サイトの定価：￥1,073(税込)+酒造メーカーサイトは送料￥590～
Amazon評価：

日本盛 高精白 安心院蔵 [ 焼酎 25度 大分県 1800ml ] 酒造会社サイトの定価：￥2,009(税込)+酒造メーカーサイトは送料￥590～
Amazon評価：

 

【麦焼酎】濱田酒造の「CHILL GREEN spicy & citr」

厳選した麦と麦麴を使い、香りの良いボタニカル「マーガオ」を使用することで、柑橘香と山椒のようなスパイシーさを、麦焼酎の持つ旨さを融合させた新感覚のボタニカル系の本格麦焼酎です。

「新感覚の香味」を実現するためにこだわりの2つの製法で実現させました。

ひとつ目の製法は、マーガオの特徴を最大限に引き出すために、最も磨き抜かれたきれいな酒質の原酒をブレンドする「リファインブレンド」を行いました。
ふたつ目の製法は、ボタニカルと醪(アルコール)を組み合わせることで、新感覚の香味特徴の酒質に仕上げる「ボタニオール製法」を行い、香味豊かな焼酎に仕上げました。

※「リファインブレンド」「ボタニオール製法」は、濵田酒造の独自の呼称です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 CHILL GREEN spicy & citrusのオススメの飲み方TOP3

3位：お湯割り

2位：ロック

1位：チルハイボール

こんな人にオススメ

麦焼酎 CHILL GREEN spicy & citrusをネットをネットショップで詳細を見る

CHILL GREEN spicy&citrus 720ml
酒造会社サイトの定価：￥1,419(税込)+酒造メーカーサイトは送料￥1,000～
Amazon評価：

 

かるそざ系の本格麦焼酎3選

【麦焼酎】井上酒造の「初代 百助」

厳選した二条大麦を100％原料とし、天領ひたの天然地下水で仕込み、減圧蒸留で醸して造られた本格麦焼酎です。
1804年(文化元年)に創業した井上酒造が創業200年を記念し、脈々と受け継がれた伝統の味を守りつつ､製法･素材に一切妥協せず、初代当主「百助(ももすけ)」の名前で発売された代表銘柄です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 初代 百助のオススメの飲み方TOP3

3位：お湯割り

2位：ソーダ割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 初代 百助をネットショップで詳細を見る

井上酒造 初代 百助 麦焼酎 720ml アルコール分25度 [大分県] 希望小売価格：￥970(税抜)
Amazon評価：

井上酒造 初代 百助 麦焼酎 1800ml アルコール分25度 [大分県] 希望小売価格：￥1,800(税抜)
Amazon評価：

 

【麦焼酎】二階堂酒造の「豊後路」

大分県日出町の自然豊かな自然水使用し、はだか麦と麦麹100％で醸した麦焼酎 二階堂を、長期貯蔵・熟成させ芳醇な香りとまろやかな舌触りを高めた、最高級品の本格麦焼酎です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 豊後路のオススメの飲み方TOP3

3位：ソーダ割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 豊後路をネットショップで詳細を見る

二階堂 豊後路 麦焼酎 25度 720ml

Amazon価格：￥2,109 (2023年11月23日時点のAmazon価格)
Amazon評価：

 

【麦焼酎】福徳長酒類の「焙煎麦焼酎 KOGETA」

焙煎した100%国産大麦と、麦麴を使用して造られた焙煎麦焼酎です。
焙煎した国産大麦を使うことで、コーヒーを彷彿させる香ばしい香りと凝縮された麦の旨味が、一度飲んだらクセになる味わいに仕上げました。

ラベルのデザインは、じっくりと焙煎したコーヒーをイメージした色調にして、麦のイラストをあしらうことで、深みあるの香ばしさと芳醇な味わいを表現しました。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、焙煎麦焼酎 KOGETAのオススメの飲み方TOP3

3位：水割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

焙煎麦焼酎 KOGETAをネットショップで詳細を見る

福徳長 KOGETA こげた 焙煎 麦焼酎 25度 900ml ■まるでコーヒーの香り
参考小売価格：￥1,152(税別)

 

おもフル系の本格麦焼酎3選

【麦焼酎】宮崎本店の「久寿」

厳選した大麦を原料に、鈴鹿山脈の伏流水を使い、樫樽で3年以上長期貯蔵・熟成させて造られた本格麦焼酎です。
飲むほどにうまみを感じ、奥深さのある味わいを楽しめ、食中酒、食前酒としてもオススメの焼酎です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 久寿のオススメの飲み方TOP3

3位：ソーダ割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 久寿をネットショップで詳細を見る

宮崎本店 本格麦焼酎久寿 [ 焼酎 25度 720ml ] 酒造会社サイトの定価：￥1,650(税込)+酒造メーカーサイトは全国一律送料￥950
Amazon評価：

宮崎本店 本格麦焼酎 「久寿」 ２５度 1800ml
Amazon価格：￥2,750(2023年11月23日のAmazon価格)
Amazon評価：

 

【麦焼酎】山元酒造の「みつわの郷」

厳選した麦を原料に、麦麴で仕込んで造った、本格麦焼酎です。
熟成にこだわり、ホワイトオーク樽に3年以上長期貯蔵・熟成させることで、まろやかな風味に仕上げた逸品です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 みつわの郷のオススメの飲み方TOP3

3位：ソーダ割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 みつわの郷をネットショップで詳細を見る

みつわの郷　長期貯蔵(3年以上)　麦焼酎　25度　900ml
楽天価格：￥ 1,188(2023年11月23日時点の楽天価格)

楽天市場で詳細を見る

みつわの郷　長期貯蔵(3年以上)　麦焼酎　25度　1800ml
楽天価格：￥ 2,332(2023年11月23日時点の楽天価格)

楽天市場で詳細を見る

 

【麦焼酎】黒木商店の「百年の孤独」

厳選した自社生産の無農薬の麦を麦麹で仕込み、常圧蒸留で醸し、一つひとつ手間暇をかけて丹念に造り仕上げた、黒木商店が創業100周年を迎えた記念に発売された本格麦焼酎です。
ホワイトオーク樽に3年～5年の間、長期貯蔵・熟成させ、3年熟成・4年熟成・5年熟成の原酒をブレンドすることで、麦の香ばしさにオークやシガーなどの熟成香が折り重なった上品な香りを生み出した逸品です。

当時皇太子殿下であった第126代天皇陛下の徳仁(なるひと)様がご成婚の際、殿下のお気に入りのお酒として、百年の孤独がテレビで紹介され、全国にブームを巻き起こしました。

定価は720mlで3,300円くらい(税込価格ですが、特約店によって若干の変動があります。)ですが、とても人気が高くて入手困難なプレミア焼酎なので、時期によって変動しますがネット上の相場では4,500円～8,000円くらいで取引されています。

銘柄のネーミングは、1982年にノーベル文学賞を受賞した、小説家 ガブリエル・ガルシア・マルケスのベストセラー「百年の孤独」が由来となっています。
黒木本店4代目当主の黒木敏之(としゆき)氏が、ガブリエル・ガルシア・マルケスに電話で名前の許可を取ったそうで、コロンビアまで赴き直接お礼を伝えたそうです。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 百年の孤独のオススメの飲み方TOP3

3位：お湯割り

2位：ストレート

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 百年の孤独をネットをネットショップで詳細を見る

乙 百年の孤独 長期貯蔵麦４０°（宮崎） 720ML 1本
Amazon価格：￥6,069 (2023年11月23日時点のAmazon価格)
Amazon評価：

 

おもそざ系の本格麦焼酎3選

【麦焼酎】老松酒造の「おこげ」

香り引き立つ大麦とワイルドな味わいを醸し出す裸麦の2種類の麦を使用して、濃醇なパンチある味わい引き出し、原料の麦を【煎じ焦がす】という今までにない手法の「煎焦仕込み」で仕上げた本格麦焼酎です。
麦の旨味を引き出す伝統の黒麹(麦麹)で仕込み、焦げ味と香りを引き出すため「おこげ」専用の常圧蒸留器で独自の味わいを最大限に引き出し、ガツンと飲み応えのある味わいの飲み口に焼酎に仕上がっているから、焼酎ファンが唸る逸品です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 おこげのオススメの飲み方TOP3

3位：水割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 おこげをネットショップで詳細を見る

おこげ 720ml 麦焼酎、大分県、老松酒造(株)
Amazon価格：￥ 1,820(2023年11月23日時点のAmazon価格)
Amazon評価：

老松酒造 おこげ 麦焼酎 25度 1800ml
Amazon価格：￥2,951(2023年11月23日時点のAmazon価格)
Amazon評価：

 

【麦焼酎】日本醗酵化成の「能登ちょんがりぶし25°」

厳選した国産の大麦と大麦麹を100％使用して、天然の清冽な水だけを使って、能登杜氏伝承の技を駆使して造られた本格麦焼酎です。
ホーロータンクで長期貯蔵・熟成させ、能登焼酎ならではの素朴な麦のコクと、旨味ある味わいに仕上げました。

銘柄の「ちょんがりぶし」は、奥能登地方に古くから伝わる民謡「ちょんがり節」にちなんで、盆踊りなどで唄われ地元で親しまれていることから命名されました。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 能登ちょんがりぶし25°のオススメの飲み方TOP3

3位：水割り

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 能登ちょんがりぶし25°をネットをネットショップで詳細を見る

能登ちょんがりぶし25°
酒造会社サイトの定価：￥1,364(税込)+酒造メーカーサイトは送料￥550～
Amazon評価：

能登ちょんがりぶし25°1.8リットル
酒造会社サイトの定価：￥2,158(税込)+酒造メーカーサイトは送料￥550～
Amazon評価：

 

【麦焼酎】西酒造の「一粒の麦」

芋焼酎のイメージを一新させた富乃宝山を世に出し、焼酎界の革命児といわれる西 陽一郎 氏が、その技術を麦の可能性を引き出すため掘り下げ、品質を追求して出来た西酒造の定番の本格麦焼酎です。
原料には国産大麦と大麦麹を使用し丁寧に全量方で仕込み、西酒造こだわりの蒸圧問接蒸留により醸しすことで、麦本来の風味を最大限に引き出した、他の麦焼酎とは一線を画す逸品です。

焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュの金子が決めた、麦焼酎 一粒の麦のオススメの飲み方TOP3

3位：ストレート

2位：お湯割り

1位：ロック

こんな人にオススメ

麦焼酎 一粒の麦をネットショップで詳細を見る

一粒の麦 [ 焼酎 25度 鹿児島県 720ml ]
Amazon価格：￥1,197(2023年11月23日時点のAmazon価格)
Amazon評価：

焼一粒の麦 [ 焼酎 25度 鹿児島県 1800ml ]
Amazon価格：￥2,227(2023年11月23日時点のAmazon価格)
Amazon評価：

 

麦焼酎に関してのよくある質問と回答

麦焼酎に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
これらの情報は、麦焼酎の選び方や楽しみ方を深めるのに役立ちます。

Q: ソーダ割りに合う麦焼酎の選び方は？

A: ソーダ割りに最適な麦焼酎は、香り豊かで味わいがクリアなものを選びます。
ソーダの炭酸が香りを際立たせ、すっきりとした飲み心地をもたらします。
フルーティな香りや清涼感のある味わいの麦焼酎が適しています。
※このサイトの「かるフル系」の麦焼酎はソーダ割りがとくに合います。

Q: 高級麦焼酎を選ぶ際のポイントは？

A: 高級麦焼酎を選ぶ時は、原料の質、製造過程、熟成期間に着目します。
手間をかけた製造や長期熟成の麦焼酎は、深みのある味と複雑な香りが特徴です。
限定生産や特別な麦を用いた麦焼酎も高級感を感じさせます。
銘柄だと「百年の孤独」は人気の高いプレミアな麦焼酎でオススメです。

Q: プレゼントに適した麦焼酎は？

A: プレゼント用の麦焼酎を選ぶ時は、珍しさや特別感を考慮します。
限定品や稀少な麦を使った麦焼酎、魅力的なボトルデザインのもの、地域限定の地酒などが好評です。
贈る相手の好みや飲み方に合わせて選ぶと良いでしょう。

 

まとめ

2023年のオススメ本格麦焼酎12選をこの記事で紹介しました。
麦焼酎の選び方・特徴・魅力、いろいろな楽しみ方を幅広く取り上げました。
麦焼酎初心者から焼酎ファンの方まで、すべての読者が麦焼酎の世界を深く掘り下げ、自分に合った一本を見つけられる内容になるよう記事を仕上げました。

最初に麦焼酎の基礎知識を紹介し、味や香りの違い、麦の種類や蒸留方法が麦焼酎にもたらす影響を詳しく解説しました。
また、ストレート・ロック・水割り・お湯割りなどの基本的な飲み方や、カクテルでの楽しみ方。
季節ごとの飲み方など、麦焼酎の多彩な楽しみ方を提お伝えしました。

食事とのペアリングのアイデアや、焼酎ソムリエ/焼酎コンシェルジュのオススメする麦焼酎も紹介しました。
読者が好みやシーンに合わせて麦焼酎を選べるように配慮しました。

この記事を通じて、麦焼酎の豊かな世界を存分に楽しむためのガイドとなり、最適な一本を見つける旅がより充実したものになることを願っています。